リノベーションでおしゃれなコンクリート天井にするのは、どんな部屋のマンションでも可能?

リノベーション事例で良く目にする「コンクリート表しの天井」っておしゃれですよね。
好き嫌いの好みはありますが、通常の天井の高さよりも、高くすることができます。
新築のマンションは、電気配線や換気ダクトを天井の中に隠しているので、きれいな白い天井になっていますが、リノベーションでは、それらを敢えて見せることで、天井を高く開放的にしています。
今回は、リノベーション工事をする際に、どんなマンションのお部屋でも「コンクリート表し天井」にすることができるかどうかを解説していきます。
■結論:築年数の古い最上階のお部屋だと難しい!
まず、最上階の天井は断熱材で覆われている為、最上階のお部屋の天井は、断熱材が入っていることがほとんどです。
天井を解体すると、それらが丸見えになり不格好です。外に面している天井面や壁面は、断熱をしないと冷気や結露の原因になりますので、快適に住むという点ではどうしても必要な建材になるのです。
前提条件として、「コンクリート表し天井にしたい!」という絶対的な希望がある場合は、最上階のお部屋を避けましょう。
●築年数によっては、最上階でもコンクリート天井可能!
最上階のお部屋でもコンクリート表し天井に出来る場合はあります。
先ほどご説明しました断熱材にも、「内断熱」の場合と「外断熱」の場合があります。
・内断熱
断熱材を建物の内側に入れる工法を施すことにより、断熱を図ります。
外断熱よりも、工事費用は安く工法も簡単で施工できる業者も多いです。
・外断熱
外断熱は、建物全体を断熱材で包み込んでいく工法です。気密性が高く、結露も起きにくく、構造的にも丈夫です。比較的築浅マンションに用いられます。
外断熱の場合は、最上階の天井にも内側からは断熱工法を取っていない為、コンクリート表し天井にしても、断熱材が丸見えになる心配はありません。
断熱工法を外壁から行っているため、断熱性能が落ちることもありません。
よって、築年数の浅めのマンションであれば、最上階でもコンクリート表し天井が可能です。
具体的に、「築何年未満」といった基準はありません。
「マンションの竣工図面」を確認して、外断熱になっているかを確認すると良いでしょう。これはリノベーション会社さんに依頼し調べてもらう必要があります。
■築古ならではの注意点は!?
最上階ではないからといって、問題なくコンクリート表し天井ができるかというと、1点注意しなくてはいけないことがあります。
それは、天井に「吹付アスベスト」がある場合です。
●吹付アスベストとは?
石綿を使った建材製品は1955年ごろから使われ始め、ビルの高層化や鉄骨構造化に伴い、鉄骨造建築物などの軽量耐火被覆材として、1960年代の高度成長期に多く使用されました。また石綿は安価で、耐火性、断熱性、防音性、絶縁性など多様な機能を有していることから、耐火、断熱、防音の目的で使用されてきました。
(環境再生保全機構より)
2012年3月より、完全に製造が禁止されましたが、現存している中古マンションには使われているケースがあります。
中でも築40年以上のマンションは天井仕上げに、吹付アスベストが使用されていることがあります。吹付アスベストは、解体をしない場合、人体に影響はありませんが、解体した際に飛散し吸い込むと肺がんの原因にもなってしまいます。そのため、解体・廃棄には特別は処理が必要であり、それを行う費用が発生します。
吹付アスベストは、使われている範囲にもよりますが、数百万円単位でかかることもあります。よって、コンクリート表し天井にできると思いきや、思いもよらぬ追加費用が発生するケースもあります。
こちらも、マンション竣工図面での確認ができますし、現地での目視確認も可能です。心配であれば、事前にリノベーション会社に依頼して、吹付アスベストの可能性があるかを確かめておきましょう。
以上のことから、コンクリート表し天井にしたい場合、築年数が古くなると、リスクが高まる傾向にあります。
事前確認で、実現できるかどうかを調べられますので、良いなと思う物件が見つかった場合は、契約前にリノベーション会社に依頼して、本当に問題ないかを調べてもらってから進めていくと安心だと思います。
■まとめ
築年数の古い最上階のお部屋だとハードルが高めになります。
天井をコンクリート表しにすることがマスト条件であれば、最上階ではない、新耐震程度の物件を選ぶ方が無難でしょう。