リノベーションで間取りの変更は可能?!

中古マンションを購入後、せっかくなら自分好みの内装にリノベーションしたい方も多いかと思います。
しかし、壁紙の貼り換えや押入れをクローゼットに変えるレベルではなく、例えば靴箱とクローゼットをつなげて衣裳部屋にするなど大きく間取りを変えたいというケースもあります。
そこで、今回の記事では”間取りの大きな変更は可能か?”についてまとめていきたいと思います。
【質問】
中古マンションを購入しようと思うのだけど、間取りが何となく自分のライフスタイルに合わないので、好きなように変えたいと思うのですが可能ですか?
基本的に、中古マンションの間取り変更は可能?


間取り変更がどんなケースに該当するかというと、例えば...
- リビングダイニングの隣に和室がある場合、和室を洋室に変更して、リビングダイニングと繋げて広くした
- バスルームと洗面所の位置を入れ替えた
- リビングダイニングが広かったので、一画に壁を立てて個室をつくった
- 収納が少なかった為、玄関の近くの壁を撤去してウォークインクローゼットを作った
など様々なケースがあります。



これらはリノベーションやリフォームと言われます。
たいていは、新築当時の既存の間取りのまま生活をしますので、家事導線が悪かったり、収納が少なかったりしても、なんとか我慢して暮らす方もいるのではないかと思います。
リノベーションやリフォームは、自分のライフスタイルに合わせて、間取りを変更しますので、満足度が上がり快適さも増します。
間取りの変更が難しい物件もある?
しかし中古マンションには、間取り変更がしやすい物件と、間取り変更に制限がある物件があります。
構造によって間取り変更ができない!
中古マンションには大きく分けて2種類の構造があります。
「ラーメン構造」と「壁式構造」です。
「ラーメン構造」
柱と梁で構成されており、基本的に部屋の内側にあり間仕切り壁(部屋と部屋の境界壁)は撤去可能です。
部屋と部屋をつなげて広いリビングにすることもできますし、一度スケルトン状態にしてから
一から間取りを考えることもできます。
リノベーションに向いている構造です。
「壁式構造」
部屋の内側の壁も構造壁(コンクリートの壁)なので、間取り変更に制限が出てしまいます。
4階や5階までの低層住宅や団地住宅に多みられます。
構造としてはラーメン構造より丈夫という見解がありますので、旧耐震の中古マンションでも「耐震適合証明書」の取得が能な場合があります。
引用元:わたしの家活
どんな間取りに変更できる?



間取りを変更する場合に、以下のように確認しておかないといけないこともあります。
代表的な例を3つあげたいと思います。
換気ダクトのルートを確認しよう


換気ダクトが部屋のどの部分から外に繋がっているかを確認しましょう



これは、キッチンやバスルームの位置を変更した場合にキチンと排気のルートが確保できるかを確認する為です。
排気が既存のルートよりも遠くなったり、ダクトの曲がる箇所が多いと換気に不具合が出る可能性もあるので注意しましょう。
排水ルートを確認しよう


キッチンやバスルーム、トイレがどのように排水されているかを確認しましょう。
それぞれの排水は、パイプスペースという管に繋がっていて、マンションの外に排水されます。
換気ダクトの時と同様に、無理な水回りの変更をしてしまい、排水が上手くできず逆流してしまうこともありますので注意が必要です。
アスベスト(石綿)がないかを確認しよう


アスベスト(石綿)は、繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。
石綿は、「そこにあること」自体が直ちに問題ではありませんが、繊維が極めて細いため、リノベーション工事の解体の際に飛散してしまいます。そして、人が 吸入すると人体に悪影響を及ぼします。
用途としては、防音材、断熱材、保温材などで使用されましたが、現在では、原則として製造等が禁止されています。
築年数が古いマンションでは、アスベストが天井に吹付仕上げ(凸凹しているように見えると注意)をされていることもあります。
間取り変更をする際は、飛散する為、解体と撤去費用が膨大になります。おおよそ50㎡で100万円~150万円程は必要です。



間取り変更すると資金はその分高くなる?
では、間取りを変更すると、リノベーション費用はその分高くなるのでしょうか?



間取り変更を伴うリノベーション・リフォーム工事は「キッチンだけ新しく取り換える」「和室の部屋を洋室に変更する」といった工事よりも費用はかかります。
キッチンの位置を変更すると、給排水管、換気ダクト、電気設備、その周辺の床や壁など全てに関わってくるからです。
間取り変更も、ただ単純に壁だけ解体すればよいわけではなく、解体した場合の補修や、部屋と部屋の接続箇所の仕上げなどキレイに仕上げることが難しい為、その分費用も掛かります。
工事をする前に工事費用がどのくらいかかるかはリノベーション会社に相談すると良いですね。
まとめ
今回は、中古マンションを購入後のリノベーション工事について、間取りを変更するほどの工事は可能なのか?また工事可能な物件の選び方についてお伝えしていきました。
ポイントをまとめると、
- 間取り変更をしたい場合は「ラーメン構造」の中古マンションを選ぼう
- 購入する前に、換気ダクト、排水のルート、吹付アスベストの有無を確認しよう
- 間取り変更を伴うリノベ―ション・リフォーム工事は工事範囲が広い為、お金がかかると思った方が良い
- リビングダイニングを広くしたり、キッチンを対面にしたり、収納を広くしたりして、自分のライフスタイルに合った間取りで快適にくらそう
ということです。
つまり、リノベーション工事で間取りの変更は可能だがそれ相応に価格は上がりますし、また物件によっては間取り変更が難しい場合もあります。ですので、理想の間取りがある場合には物件を探す段階で不動産屋さんに伝えておくことをおすすめします。
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