中古マンションで、音が響かないフローリングの施工方法は!?

中古マンションでリノベーションを希望されているお客様の中でも、
特に、お子様がいるご家庭のお客様からこんな質問があります。
「フローリングで下の階に音が響かない工事はできますか?」
どんなに気を付けても足音や、モノを落とす音は発生しますし、
コンクリートで作られているマンションでも音の振動は起こります。
しかし、日常生活で「もしかしたら音がうるさくて注意されるかも…」
と不安な日々を過ごすのはストレスですよね。
今回はフローリングの張替えなどのリフォームをする場合に、
どのような施工方法であれば、下階に音が響きにくいかを解説していきたいと思います。
マンションには「遮音等級」が存在する
足音やモノの落下音は「遮音等級」という数値で表すことができます。
遮音等級はL値(エルち)またはL等級(エルとうきゅう)といい、音の伝わりにくさを表すのです。このL値は、数値が小さいほど、遮音性能が優れていると言えます。
マンションの管理規約には使用細則というページがあり、
さらにその中に「工事細則」というリフォーム工事のルールが定められています。
ほとんどのマンションでは、工事細則にフローリングの遮音規定が存在します。
つまり、「このマンションでフローリング工事をするときは、この遮音等級で施工をしてね」というものです。これを満たしていないと、管理組合から工事NGと言われてしまいます。それでは、どのような施工方法であれば、この遮音を満たせるのでしょうか?
おすすめの施工方法は?
結論ですが、置床工事をして、カーペットやコルクタイルを敷く方法が、無難です!
音が響かないのは「カーペット」を敷くこと
一番音を吸収してくれるのは、カーペットを敷くことです。
中古マンションで施工されている方法としては、
コンクリート躯体にカーペットが糊付けされているものが多いでしょう。
比較的安価で施工できますので、50年以上の築古マンションから築20年前後まで幅広い年代で、
使用されています。
とはいえ、カーペットは最初はきれいで良いのですが、シミになったり埃が溜まったりと、
あまり好んで選ぶ方が多くありません。他に、何か良い施工方法はないのでしょうか?
置床フローリングで遮音がとれる!
最近は置床工法というフローリング施工が一般的になってきました。
これは、床スラブとフローリングの間に、防振ゴムのついた支持脚を入れて空間を作ります。
「乾式二重床」ともよばれ、現在ではたくさんのマンションで採用されている構造です。
床下に空間があることから、水回りを移動させるような、大規模のリノベーションに適しています。水回りを移動させると、排水管のルートを変更したりする必要があるため、空間がないとその施工ができない為です。
この置床工法のおかげで、多くのマンションが工事細則で規定している遮音等級をクリアすることが可能になります。
因みに、マンションの遮音等級は「L45~40以上」が一般的です。
1階だと下階がない為、「L50以上」、すこし厳しめのマンションでは「L40以上」が多いようですね。私のマンションはL40でしたが、置床工法で承認が得られましたよ。
それでも子供の足音がうるさくて心配…
とはいえ、ここまでの話は、あくまで遮音等級という数値上の話であり、
この工法をとっていても、足音が下階に全く響かないということはありません。
では、心配な場合は、さらにどのような対策をとればいいのでしょうか?
フローリングの上から「防音カーペット、防音マットを敷く」
シンプルですが、一番簡単な方法です。
基本的にフローリングの上に敷くだけなので、賃貸などでも気にせずに設置でき、簡単に復旧できます。
カラーバリエーションもあるので、シンプルなものからかわいい系のデザインまで幅広く検討することが可能です。
その他には、「フローリングの下に防振ゴムを敷く」というものもありますが、
そこまで例がない為、そこまでおすすめでもないかなと思います。
悩みが絶えない音への不安
これから中古マンションを検討している方、中古マンションを買って自分でリフォームやリノベーションをしたい方が、必ず心配になるのが近隣にどんな方が住んでいるかですが、
その際に「音」への心配ごとをお持ちの方は多くおられます。
ですが、現在同世帯のお子様がいたり、もうお子様が大きくなって独立されているようなご家庭が多いです。
その為、「自分の子供も家の中を走り回っていたので、大丈夫ですよ!」といって頂けることも多々あります。
気にすることが悪いことではありませんが、まずは規約に従いフローリング施工を行うことを心掛けましょう。
それでも気になるな~という方は、1階限定でマンションを探したりする方もおられます。
下階に誰も住んでいないので、迷惑をかける心配がないですからね。
できる範囲の方法で頑張ってみることが大事
フローリング施工をする際には、「置床工事」はマストで行い、
もし心配であれば防音カーペットや防音マットを敷くと良いかと思います。
音の感じ方は個人によって異なるため難しいですが、マンションのような集合住宅で暮らすということは
何かしらの音が発生してしまいます。
そこまで意識しておけば、あとは日ごろの生活で「少し」気を付けるように意識すればよいのかなと思います。
まとめ
- 中古マンションでリノベーションを行う際には、まず管理規約で遮音等級を確認しよう
- フローリングの施工には、置床工法を採用しよう
- それでも心配な場合は、フローリングの上に防音マットを敷こう
音の感じ方は人それぞれです。
気を付けるに越したことはありませんが、心配しすぎても日々ストレスが溜まります。
できる範囲で頑張りつつ、マンションでは近隣住民の方へのコミュニケーションをとることが大切です。