中古マンション購入時にチェックすべき「管理書類」

中古マンションを購入する場合に、チェックすべき項目を簡単にまとめると、このようになっています。
- 土地権利は「所有権」
- 管理形態は「全部委託」
- 理想的な戸数は「30戸以上」
- 管理費と修繕積立金が適正
- 鉄筋コンクリート造か鉄骨鉄筋コンクリート造

では、上記の条件に当てはまる、中古マンションであれば、なんであっても懸念はないのでしょうか?
実はもっと重要な確認すべきポイントがあるそうなのです。



そこで、引き続き担当の不動産屋さんに、中古マンション購入前にチェックするべき管理書類とその見方を聞いてみました。
チェックすべき管理書類とは?!



「中古マンションはメンテナンスが大事」ということは以前のマンション構造に関する記事や修繕積立金の記事でもお伝えしていきましたがではメンテナンスをするということは、一体何が必要なのかについて考えていきたいと思います。



もちろんそれも大事ですが、もっと根本的なもの、「お金」です。お金がないと、何も出来ませんよね。



それは「重要事項調査報告書」「長期修繕計画書」という書類です。



不動産業者自身が、不動産取引をする際なんかは、現地に行かないで、この書類とWEB上の立地だけで、良いマンションかどうかを判断さている方もいるそうです。
- 重要事項調査報告書
- 修繕積立金の貯蓄金額
- マンション全体の滞納額
- 大規模修繕改修工事に関する予定
- アスベスト・耐震診断の有無
などが記載されています。






重要事項調査報告書のチェック方法
重要事項調査報告書の見方は、担当の不動産屋さんに聞くことをおすすめします。
目安としては、例えば100世帯あるマンションの、積立金総額が約9,000万だったとしましょう。
9,000万円÷100世帯=90万円となり=順調に積み立てられているマンションということが分かります。
しかし、適正値でないと絶対にダメかというと、そういうわけではありません。
適正値未満でも、直近数年で「大規模修繕工事」をしていた場合は、一時的に貯蓄額が少なくなります。



(大規模修繕工事は、主に外壁の補修工事や屋上防水工事などです。中古マンションを若返らせてあげるようなイメージと考えると分かりやすいです)
大規模修繕工事でかかる費用と期間
大規模修繕工事は、マンションの規模にもよりますが、数千万から億単位で、かなりのお金が必要になる、大掛かりな工事です。
一般的に、期間は12年~15年に一度実施されます。



問題なのは、次回の工事で、積立金総額がマイナスになる場合に、各世帯から徴収する修繕積立金が、どの程度増額されるかどうかです。(戸数が少ないマンションはこの増額幅が多い=負担が増えやすい可能性が)
では、それは何を根拠に把握しておけばよいのでしょうか。
購入してすぐに修繕積立金が値上がりしてしまうとなんだか損した気分になりますよね。
そうならないために、あらかじめ
- マンションの修繕計画
- 修繕積立金の値上げの可能性
を確認できる「長期修繕計画書」をチェックすることをおススメします。



長期修繕計画書とは
マンションの性能を維持し老朽化を防止する為に、管理組合が作成する分譲マンションの長期的な修繕計画が記載されています。
- 各世帯から徴収した修繕積立金の推移
- どのタイミングで、何の工事を、いくらで行うか
が記載されており、数字とグラフで作成されている為、いつ頃修繕積立金の値上げが発生するかが予測できるというものです。
結局、管理書類のどこを見れば良いの?!
さて、これらを踏まえて、特に注目すべき点をご説明します。
- 修繕積立金の現在の貯蓄額
- マンション全体の滞納額
例えば、マンションの管理状態の良さのレベルを3段階でイメージしてみてください。



イメージはこんな感じです。
- 松:修繕積立金が潤沢にあり、修繕もしっかり行っている。
- 竹:修繕をしっかり行うために、銀行からお金借りて、やりくりしている。
- 梅:修繕積立金がないのに、銀行から借り入れもせず、修繕も行わないので老朽化が進んでいく状態。
松と梅は、説明の通り想像しやすいですよね。
ニュアンスが難しいのは竹のマンションです。



マンションも借入をする場合は、審査がありますので、借りることが可能なマンションはそこそこ優秀であると言えます。また、マンションが銀行から借入をする理由は様々です。
マンションが借り入れをするケース
例えば、現状足りているけど敢えて借りる場合もあります。なぜかというと、多額の修繕積立金が必要な場合、貯蓄をほとんど使ってしまうのは危険だからです。
ある程度の貯蓄が残っていないと、震災で水道管は破裂した場合、台風でエントランスが浸水した場合などの対応が遅れてしまうからです。
「貯蓄はあるけど、一応残しておく。銀行から借りているお金はいつでも返そうと思えば返せる」の様な計画であれば安心でな為、借り入れを行うこともされています。



上記のように管理がしっかりしているマンションは、共用部や外観、植栽などもきれいになっているので、内覧の際に管理の良さを感じ取ることが出来るはずです。
管理書類は誰でも閲覧できるの?
管理書類は、実際に物件内覧を依頼しないと見せてくれません。不動産屋さんにお願いする場合は、内覧時に聞いてみて下さいね。



まとめ
いいなと思える物件が見つかった場合でも、管理書類を確認すると思わぬ懸念点が見つかる場合もあります。



正直、中古マンションを購入するまでに自分の希望条件以外に、マンション自体の財務状況や今後の予測まで確認しなければならないとは思ってもいませんでした(汗)
もしかしたら一生住むかもしれない家ですから安全にそして急な出費なく安心して暮らしていきたいですよね。
その為にも、内容の難しい書類系ですが、ちゃんとチェックして(そして、不明な点は不動産屋さんにいっぱい確認して)物件購入を進めていきましょう。
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