40代独身は賃貸の入居を断られるから、早めにマンション購入すべきなのか?

最近のニュースで
「40代独身は賃貸への入居を断られる」中年独身女性が慌てて分譲マンションを買ったワケ
参考:プレジデントオンラインより
という話題がありました。
実際に物件探しをしていると、単身女性で賃貸の家を借りるのに苦戦されていた方もいました。
賃貸には入居の審査がありますが、単身者だと何が壁になっているのでしょうか?
まず、賃貸の入居審査の内容についてみていきましょう。
単身者が賃貸を借りる時の壁
賃貸には入居審査があります。
大きく分けて、保証会社の審査・オーナー審査があります。
保証会社の審査は、収入、勤務先、カードの延滞等を見られますので気を付けていれば難なく通過します。
しかし、オーナー審査は、オーナーさん独自のお気持ちが入ります。
特に単身の方は、家賃が払えなくなった場合に頼る人がおらず滞納してしまったり、年齢を重ねると賃貸の中でお亡くなりになっているケースも少なくはないです。
オーナーさん目線では、せっかく家賃収入の為に買った物件内でのリスクを少なくしたいと考えるようです。
実際に、住んでいる賃貸に年齢制限があり、住んでいた賃貸を退去せざるを得なくなったという方も。
そうなると、下記の記事のように、住宅購入をする方が、賃貸の入居審査に不安にならず暮らしていけるでしょう。
この場合、住宅購入は急いで進めた方がいいのでしょうか?
また、探し始めてそんなにすぐ見つかるのでしょうか?
大きな買い物なので、焦ってリスクのある物件を選びたくないですよね。
今回は、購入時期や、初めて物件を探す方向けに、おさえておきたいポイントを解説していきます。
単身者が住宅購入をする前に確認すべきポイント
1.購入時期を決める
まずは購入時期を決めましょう。
住宅ローンは、80歳まで組むことができます。
借入期間は最長で35年です。
つまり、44歳を過ぎてしまうと、だんだん借りられる年数が短くなってしまいます。
住宅ローンは何年で組むべき?
「35年より短くても大丈夫」という方もおられますが、住宅ローンを組むときは、一旦、最長の35年組むことがおすすめです。
まぜならば、住宅ローンの借入年数は、短縮することはできますが、後から延長することはできないからです。
収入状況や働き方によって、後から短縮できればするというスタンスの方が良いでしょう。
2.予算を決める
住宅ローンは、毎月同じ額を支払うことによって、住宅に住むことが約束されます。
よって無理な資金計画は注意が必要です。
住宅ローンの借入可能額は、年収の約7.5倍です。
年収400万円の方の場合、3,000万円近く借りることができます。
これを月々のローンにすると下記になります。
金利0.625%、元利均等方式、35年ローンの場合
この条件で月々の支払を計算すると「79,554円」になります。
これに月々の、管理費・修繕積立金が追加されます。
単身世帯のマンションの専有面積を40~50㎡とした場合、管理費・修繕積立金の相場は約20,000円です。
合計すると、約10万円近く毎月支払うことになります。
仕事をしている間は良いですが、退職した後で本当に払っていけるかが不安なところです。
心配な場合は、ファインシャルプランナーへ住宅ローンの適正予算を確認してみましょう。
3.優先順位を決める
住宅購入ではこの優先順位をしっかり固められているかがとても重要です。
例えば、エリアは都心に行けば相場が高くなりますし、郊外に行けば低くなります。
築年数も新しい物件の方が高いです。
築浅マンションがいいなら、エリアは少し郊外を選んだり、
広い物件がいいなら、駅からバスの物件を選んだり、
色々選択肢はあります。
一番良くないのは、優先順位が決められず、購入を先延ばしにすることです。
自分の叶えたい暮らし方によって、下記の5大条件の優先順位を考えてみて下さい。
物件選び五大条件
- 価格
- エリア
- 駅徒歩分数
- 広さ
- 築年数
40代単身女性 M様の物件探しレポート
上記のステップを経て、住宅購入をされたM様の事例をご紹介していきます。
M様
- 年齢 41際
- 年収 500万円~600万円
- 職業 エンジニア
当初の物件探し条件
- 予 算 2,000万円
- エリア 文京区
- 駅徒歩 5分以内
- 広さ 45㎡以上
- 築年数 20年以内
文京区の情緒ある街並みがが好きで、賃貸で長らく住まわれていたM様。
40代を迎え、
「いつまでも賃貸で暮らしているのは家賃がもったいない」
「自分のモノになる家を手に入れなけば」
と思ったそうです。
ですが文京区は都内の中でも相場の高いエリアであり、
なかなか物件が出てきません。
内覧を5件6件と重ねますが、エレベーター無し、バルコニー無し、眺望がなく採光が得られない…という
条件があまり宜しくない物件ばかりでした。
優先順位の整理
ここで優先順位の整理を行いました。
お話を聞くと、一番優先したいのは、徒歩分数とのことでした。
理由は、今の賃貸が駅徒歩15分かかる為、家からでるのが億劫になったそうです。
コロナ渦もあり、友人との関係が希薄になってきたことを改善したいとのこと。
整理後の物件探し条件
- 予 算 2,800万円
- エリア 都内
- 駅徒歩 5分以内
- 広さ 40㎡以上
- 築年数 新耐震
駅徒歩分数はそのままにそのほかの条件をすべて緩和しました。
予算もアップしましたが、十分無理のない範囲でした。
物件価格は、相場より安いものは何か理由があります。
今回M様が文京区で物件を探している時に出会ったものも、そのような条件でした。
M様の譲れない条件は「駅徒歩分数」でした。
こちらが満たされていると、今よりアクティブな生活が送れそうで
友人とも会える頻度が増えると喜ばれていました。
物件決定!
最終的に購入した物件は以下になります。
- 予 算 2,780万円
- エリア 世田谷区・桜新町
- 駅徒歩 5分以内
- 広さ 39㎡以上
- 築年数 新耐震
広さはやや希望より下回りましたが、階数も9階で角部屋ということで、狭さが気にならない程、開放感のあるお部屋に決定されました。
M様が物件探しをした期間は約2か月です。
物件探しは、長い時間かけて沢山の数を見れば良いというわけでもありません。
内覧も1~2件するだけで、半日以上かかります。
まとめ
M様は、条件整理を行うことで、緩和できるもの、譲れないものを洗い出すことができました。
- まず、購入時期を決める(いつまでに)
- そして、予算を決める(いくらで)
- 最後に、条件の優先順位を決める(これからどんな暮らしがしたいか)
自分一人で答えを出すのが難しい場合は、友人や不動産のプロの方に相談する等方法はあります。
焦って行動に移す前に、まずはひとつずつ整理をしていくのがよいでしょう。