中古マンションはどこまでリフォームすべきなのか?

住宅購入の選択肢として、中古のマンションを購入しようという方は年々増えてきていると思います。

新築マンションや築浅マンションは、内装や設備がキレイなのでそのまま住むことが出来ますが、そこそこの築年数(15年や20年くらい)が経過している中古マンションの場合は、そのまま住むのが難しいこともありますよね。

内装の状況にもよりますが、ご依頼で多いのは以下のような工事内容です。

目次

リフォームしてみようと思う箇所

  • 壁紙がカビたり焼けて変色している
  • フローリングが剥がれている、シミができている
  • お風呂・トイレが古く傷んでいる

中古のマンションは、内装、設備に関わらず直すべきところが、多少なりとも出てきます。

例えば、フローリングを全て新しくする場合、入居する前に直しておかないと、
住んでから、また家具を移動させて…といった作業をしなければならず大変です。

また、20年以上超えていると部分的なリフォームでは、キレイに直すのは難しい場合もあります。

そんな場合、最低限するべきリフォームはどんな内容なのでしょうか?
これには見た目の経年劣化もありますが、マンションの「築年数」によっても判断できます。

今回は予算オーバーしないためにも、よくあるリフォーム工事内容について、築年数を基準に見ていこうと思います。

中古マンションで行うべきリフォーム工事について

まず、リフォームとリノベーションの工事内容の違いです。
築年数や内装の状況次第ではリフォームよりも、リノベーションをした方が効率が良い場合があります。

リフォーム

リフォームは、古くなったものの時間を戻して新しい見た目にするようなイメージです。
リフォームは、大きく分けて2種類あります。

1. 風呂やキッチンを取り換える設備系

一つ目は、水回りにある設備を交換する工事です。
中古マンションの場合、風呂、トイレが古いのは気になる方が多いように思います。

基本的には、古い風呂があった場所に新しい風呂を取り換えるような工事なので、サイズアップなどは出来ません(後述しますが、リノベーション工事の場合はサイズアップが出来る場合があります)

水回りの工事は費用は掛かりますが、暮らしの快適さに関わりますでの優先的に考えられる方が多いです。

2. 壁紙、床材などを張り替える内装系

リビングダイニングや居室の仕上を新しくする工事です。
設備工事に比べると(範囲によりますが)安価でできる場合もあります。
また、中古マンションの壁紙はカビの胞子が発生している場合がありますので、
全ての部屋を交換するのが良いかと思います。
壁紙や床材の色を自分で選べるのも楽しい点ですね。

リノベーション

一方、リノベーションはお部屋の機能・価値を新しくするイメージです。

床・壁・天井をすべて解体し、空間をコンクリートの空間の状態にします。
そして、一から間取りを作っていきます。

中古マンションの構造によりますが、間取り変更や、水回りの移動も比較的可能です。
(トイレだけは移動できない場合がほとんどです)
リフォームは間取りをほとんど変えられないのに対して、リノベーションは間取りを自由に変更できます。
その為、自由度が高く、その住む人のライフスタイルにあったお家が作れるのがメリットです。

築年数別の工事内容は?

築20年以上は、リノベーションでインフラ工事まで実施しておこう

インフラは、給配管・ガス管・電気線の様に、普段生活していても見えない箇所のことを指します。
(少々イメージしづらいかと思います。)

例えば、築20年以上のマンションにもなると、給排水管の素材は鉄製・銅製です。
経年と共にサビて劣化していきます。錆びると管内がサビにより狭くなります。
そうなると管内を流れる水の水圧が強くなり、接続部分から漏水が起こるリスクがあります。
築20年以上ですと、インフラもそうですが、他の箇所の劣化も進んできます。

もし、築20年以上の中古マンションを購入する場合は、リノベーションをするのがおすすめです。

築20年未満はリフォーム工事でもOK

築20年未満の場合はリフォーム工事の内容でも良いかと思います。
このくらいの築年数になると、先ほどでてきた給排水管が「塩ビ・ポリエチレン製」です。

錆びるリスクがない為、経年劣化しにくいです。

よって、この年代のリフォーム工事は、
基本的には見える範囲の工事(表層リフォームともいいます)で対応できることが多いです。
予算と、内装の状況に応じて部分的にリフォームをしましょう。
部分的なリフォーム工事は以下のようなものが代表的です。

  • 風呂交換
  • キッチン交換
  • トイレ交換
  • 洗面化粧台の交換
  • 壁紙の張り替え
  • フローリングの張り替え
  • 簡易的な間取り変更(和室を洋室に変更、2つの部屋を1つに繋げる 等)
  • 押入をクローゼットに変更する

工事内容の大小がありますので、費用のイメージは、十数万~数百万まで幅広いです。

リノベーションの工事費はどれくらい必要なのか?

オーダーリノベの費用感は?

リノベーションの工事費は、通常のリフォームに比べると、工事金額は高くなります。
設計料や、オーダーにする為のコストが必要です。
また、インフラ部分の工事や、スケルトンにする解体工事が必要な為、
リフォーム工事に比べると、工事期間や工事申請の手続き、
解体費用や廃材の処分費等、工事工程が増えていきます。

工事費用ですが、ファミリータイプの間取り50㎡~60㎡で、約700万~1200万程が相場です。

物件探しからリノベーションの設計施工を行ってくれる会社もあります。
自分好みのお家を作りたいという方にはおすすめです。

何をすると高くなる?

選ぶものによっては、かなり上振れることもあります。

高くなりやすい工事項目は、設備関係と造作(オーダー家具)です。
例えば、キッチンはグレードによって200~300万円変わります。
キッチン本体のグレードは各メーカー3段階程あり、その中でさらにパーツランクがあります。

つまり、一番上のグレードのキッチンで、全て一番上のパーツを付けるとかなり高額になります。
(私が自邸を工事したときは、中グレードで高いパーツを付けて予算から50万程オーバーしたので、後で調整しました)

造作も、例えば棚を作るだけならそこまで高くないのですが、その棚に全て扉を付けるとなると費用が上がります。
工事の人件費(人工)が増え、費用に反映されています。

複雑な造作を入れたい場合は、設計担当者に、どういう工事・設備にすれば費用が高くなるかを相談しながら決めるとよいでしょう。

リノベーション済み物件について

最近は、既にリフォームやリノベーションがされた物件の販売も増えてきました。
既に工事が終わっているので、すぐに住むことができますよね。

リノベーション済み物件の売り出される仕組み

リノベーション済物件は、築20年から古いものだと築50年以上の中古マンションまでのリノベーション済物件が存在します。
この物件は、買取再販業者が、相場より安く物件を仕入れ、自社で施工をし、利益を含めて販売しているものです。
内装は、売りやすくする為、シンプルなデザインが多いです。
(相場より安く仕入れることができる仕組みは、業者は現金で購入できる為、価格交渉を通しやすいからです。)
販売価格は、リノベーションできれいにしている分、相場より少し高めです。

リノベーション済み物件を選ぶ際の注意点

リノベーション済みを選ぶ際の注意点としてはインフラ部分まで工事をされているかどうかです。
先ほど述べたように、築20年以上のマンションは給配管が劣化しているので、インフラ部分まで工事をしておいてほしいものですが、買取再販業者が行う工事は、リノベーションといっていても、稀に表層しかリフォームされていないものもあります。

そういった物件は、住んだ後で不具合が出る可能性があります。
インフラ部分は見えない箇所なので、新しくなっているかの判断が難しいです。
リノベーション済み物件を選ぶ際は、インフラ部分まで交換されているかどうかを確認するようにしましょう。

まとめ


中古マンションを購入する方の多くは、リフォームやリノベーション工事を検討するでしょう。
大事なのは、中古マンションは、築年数によって、リノベーションとリフォーム、どちらの選択肢をするかを検討しなくてはいけないということです。
そうすることで、限られた予算の中で適切な工事をすることができます。

  • 築20年以上の中古マンション→お金はかかるがリノベーションをした方が満足度が高い
  • 築20年未満の中古マンション→必要に応じて、工事をする箇所を決める
  • リノベーション済物件→インフラ工事をしているか確認しよう

これらを念頭に置いて、リノベーションとリフォームを賢く活用して、かしこく快適な暮らしを実現しましょう。

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