どこまで工事をすべきか悩んでいる
工事範囲を決める方法のSTEP
中古マンションは購入するタイミングで内装の劣化状態が様々です。
劣化の状態によって、下記のように住むまでの手順や費用が変わってきます。

そのまま住む場合
築5年の築浅の中古マンションなので、クリーニングさえすれば、ほとんどそのまま住むことができる
基本的にリフォーム工事はしないで、そのまま住める物件の場合はルームクリーニングだけでOKです。
水回りのみリフォーム工事をする場合
築15年のマンションでところどころ内装が劣化しており、水回り設備に不具合が見られる
内装面では壁紙の剥がれ、フローリングのへこみや傷、和室畳の日焼けなどがある場合、気になるようであれば張替工事や畳交換を行いましょう。
設備面では、水回り(キッチン・風呂・トイレ)は対応年数的にも故障が出てくる年数です。基本的には水回り設備は全て交換することをおすすめします。
インフラを含めフルリノベーションする場合
築40年の築古マンションで、今まで一度もリフォームをしたことがなく、そのまま住むことができない
内装、設備はもちろん、インフラ(給排水管・ガス管)なども劣化しており漏水の危険もあります。
こういった築古マンションを購入する場合には、フルリノベーション工事を前提に予算を考えましょう。
リノベーション済み物件を選ぶ場合
既に内装や設備が新品に取り換えられている、室内だけでも新築のようなマンションがいい
不動産会社が自社で中古マンションを買い取り、自社でリノベーション工事をして販売している中古マンションです。
築古マンションが多いですが、室内は新築の様にきれいにされているのですぐに住むことが可能です。
物件によって状況は異なるため正確な判断を
これらのように中古マンションは住み方によって劣化状況が異なり同じ状態のものがなく、すぐにどこまで工事をすべきかを判断するのは難しいです。
また、給排水管といった見えないところが劣化している場合は専門家に判断してもらわないと気づくことも出来ません。
どこまで工事をすべきかの判断は基本的に専門家に見てもらうのが良いですが、自分でも判断できるおおよその目安について解説していきます。
予算から考える
まず大前提として何にどれくらい費用がかかるかを把握しておきましょう。
あくまで私の経験ベースになりますが代表的なものをピックアップしていきます。
設備

キッチン | 約60~250万円 | システムキッチンでもグレードは様々ですが、 オーダー仕様にするとさらに金額幅が生じます。 |
風呂 | 約100~150万円 | 追炊き機能、浴室乾燥機、ジェットバスなどオプションが豊富です |
トイレ | 約20~40万円 | タンクレスタイプにすると費用が高額になります |
洗面台 | 約8~40万円 | 既製品、オーダー等様々ですが一般的にはこれくらいの予算感です |
イメージとしては中古マンションの水回りを全交換する場合は約250~300万円です。
内装

クロス交換 | 約7~10万円 | クロスのグレード次第ではもう少し費用がかかるでしょう |
畳をフローリングへ変更 | 約15~20万円 | フローリングのグレードによってはもう少し費用がかかるでしょう |
間仕切り壁を解体して部屋を大きくする | 約50~100万円 | 解体する間仕切り壁の面積が広い場合、補修の箇所も増えるため費用が上がります。補修箇所は床・天井・壁です。 |
設備+内装
60 ㎡ | 水回りを全て新規+床材・壁紙など表層リフォーム(間取り変更なし) | 約500万円 |
60㎡ | 全てスケルトンにしてからフルリノベーション | 約1,000万円~ |
フルリノベーションの場合、選ぶ設備や、造作物の数によっては2,000万円を超えることもあります。
たとえば、気に入った中古マンションが予算ギリギリだけど、内装も劣化しており、フルリノベーションをしないといけないような状況の場合、工事費用を含めると大きく予算オーバーしてしまうのが分かると思います。
一方、予算はギリギリだけど、水回りもそのまま使えそうで、壁紙くらいは全部屋交換したなという場合であれば、数十万あればきれいにすることができそうです。
中古マンションを選ぶ際には、予め“現在の内装と設備の状況”を確認しておくと良いでしょう。
中古マンションの築年数から判断する
築年数から判断する方法もあります。どこで判断するかというと、給排水管やガス管の状況です。
マンションは築年数によって上記管の材質が異なるからです。
2000年以降竣工マンション | 配管が塩ビ・ポリエチレン管で、半永久的に使用することが可能です。 |
2000年以前竣工マンション | 鉄管・銅管であり、経年劣化で管内にサビが生じます。このサビは配管の漏水になりますので、注意が必要です。 |

例えば、築40年の中古マンションで内装や設備が一見きれいでも配管は交換されていない場合もあります。この場合、気づかずに住んでいると知らない間に漏水事故になることもあります。
配管工事を行う場合、基本的にはフルリノベーション工事まで行う必要が出てきますので、工事費用は高額になります。
築古マンションを検討する場合は、
- 過去に工事をしているか?
- その工事では配管交換までされているのか?
を予め確認しておくと良いでしょう。
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