物件探しから、リノベーション工事をして住み始めるまでにどれくらいの期間かかる?

お家の住み替えには、人によって色々なタイミングがあるかと思います。
例えば、ライフステージの変化による住み替えは、結婚したり、家族が増えたり、転勤があったり…
また、いま賃貸に住んでいる人だと更新のタイミングなどがありますよね。

上記は、住宅購入を考える「きっかけ」になることが多く、その必然性は人によって異なります。

「更新料を払うのが勿体ないなあ…購入検討するかな…」

は、必然性が弱く、

「子供の入園前に、住処を固めないと、引っ越しが後々面倒」

というものは、必然性が高めです。
これは、子供を一度入園・入学させると、基本的にそこに通えるエリアに住むことになりますが、探せる範囲が狭いのでなかなか見つけにくいです。

極端な例ですが、目黒区の賃貸に住んでいて子供が保育園に通いだしたとします。
目黒区は東京23区でも相場が高いので、新築マンションはもちろん、中古マンションも高いです。
しかも子供が大きくなるので、今の賃貸より広い家にしないといけません。
エリアが固まっているし、広さも必要、となると探すのは至難です。

何が言いたいかというと、必然性が高いほど、住宅購入への気持ちは高くなると言うことです。

よって、まだ流動的に動ける内に、住宅購入をするのがおすすめです。
今回は、中古マンションを購入してリノベーションして住み始めるまでに、どのくらいの期間を想定しておけばよいかについて解説していきます。

目次

最短で、どれくらいかかる?

まず、最短で考えた場合は「5ヶ月」は掛かると思っておくと良いでしょう。
引っ越しから逆算して内訳を見てみると、下記にようになります。

  • 工事着工から引き渡しまで:2.5ヶ月~3ヶ月
  • 物件契約から工事着工まで:1.5ヶ月
  • 初回打ち合わせから物件契約まで:0.5ヶ月~1か月

がんばっても短縮できない手続きがある

例えば、物件契約から工事着工までの期間が1.5ヶ月程必要なのですが、これは契約後に、住宅ローンの本審査申し込み、本審査承認後の金消契約、そして物件の引き渡しがあります。審査の期間や、銀行に行く日程の調整(平日のみ)、売主買主とのスケジュール調整等を考えると、どうしてもこのくらいにはなってしまいます。

したがって、そこそこ急いでも5ヶ月くらいは必要となり、余裕をみるのであればもう少し長めに期間を設定するのが良いでしょう。

それぞれにかかる期間

では、現実的にはどのくらいの期間が必要でしょうか?
結論としては、「6ヶ月~7ヶ月ほど」あれば余裕をもって進められるでしょう。
下記のスケジュールを見ながら、各フェーズごとにみていきたいと思います。

これから出てくる段落の名前は、スケジュール表の項目と同じにしています

物件探しから、リノベーションをして住むまでのスケジュール

物件を探す-①初回打ち合わせ

初回打ち合わせは、リノベーション会社の担当者との打ち合わせになります。

物件の購入条件やリノベーションの希望内容をヒヤリングされたり、こちらからも質問をしてすり合わせる時間になります。
担当者との相性もあると思いますので、ざっくばらんに質問するのが良いでしょう。担当者の人柄や知識量も確認すると良いでしょう。

ここまでで1週間経過

物件を探す-②資金計画

資金計画では、希望条件に対しての月々の支払い額の確認、そしてその金額が住宅ローンとして借りることが可能かの試算を行います。

例えば、旦那さま単独名義で、住宅とリノベーションで、5,000万円借りたいとします。
しかし、年収から試算すると、4,000万円までしか借入ができませんでした。
この場合、奥さまの収入も合算すれば、希望の5,000万円の借入に届きそうです。
そうなった場合に、連名でローンの申し込みをする流れになります。

このように、希望条件との乖離がある場合も多いです。
事前に資金計画をしておかないと、内見をして、

この物件ほしい!

となってもローンが組めないとなってはガッカリしてしまうかもしれません。

ここまでで、2週間経過

物件を探す-③物件選定と内覧

物件選定と内覧のフェーズでは、資料段階での絞り込みがとても重要です。
それは、内覧する前に確認できることが沢山あるからです。

中古マンション探し、内覧前に見るポイント徹底解説

引用元:わたしの家活


たとえば、物件の土地権利や管理形態が分かります。
住所を検索すれば、周辺環境が分かります。
これらが事前に分かれば、検討物件から除外することが可能です。

内覧では、リノベーションをする上での懸念事項を確認しましょう。
解体しないと分からない箇所もありますが、現地確認や図面を見ることでリスクを避けることは可能です。

内覧する物件は平均で4件~8件ほどです

沢山見たからといって、いい物件に出会えるとは限りません。タイミングやご縁もあります。

物件を探す-④購入申込み

物件選定、内覧を繰り返して気にいった物件が見つかれば購入申込書を提出します。
購入申込書は、売主へ「いくらで、いつ契約したい」旨の意思表示をする為に行います。

人気物件で複数申し込みがある場合は、提出先着順若しくは住宅ローンの承認順になります。
よって、購入申込書を提出したからといって、必ず契約ができるわけではないので注意しましょう。

ここまでで、1ヶ月~1.5ヶ月経過
早い人で2週間、なかなか見つからない場合は数ヶ月かかることも。

銀行融資‐①事前審査

上記の④購入申込みの後、すぐに行いましょう。
事前審査に必要な書類は以下です

  • 本人確認書類(運転免許証・健康保険証の裏表)
  • 源泉徴収票 2期分
  • 印鑑
  • 事前審査申込書(提出する金融機関のもの)
  • 物件の販売図面
  • リノベーションの見積書(リノベーション会社に作ってもらいましょう)

【補足】
個人事業主は、確定申告3期分が必要
・会社代表・役員は、決算書3期分が必要

源泉徴収票が手元になく、会社に依頼しないといけない場合は、事前審査がスタートできません。
その間に、他から購入申込みが入り、購入できなかった人もいます。

事前審査はとても重要なので、購入検討を始めた段階で、自分で集められる書類は用意しておきましょう。
過去に滞納履歴があって心配なかたは「指定信用情報機関のCIC」で信用情報の開示をし、確認しておくと安心です。

物件を探す‐⑤物件契約

いよいよ物件契約です。
ここでの注意事項は「捺印をすると、簡単に契約白紙にはできない」ことです。
契約の流れは、

1. 重要事項説明
2.契約書読み合わせ
3.設備表確認
4.記名・捺印
5.手付金の授受

という流れで行います。

重要事項説明は、物件に関する事項や取引に関する事項を説明されるので、不明な点はここで質問を行います。
そして問題なければそのまま、契約書類に記名・捺印をし、手付金を売主に渡して契約手続きが終了になります。

手付金について

手付金は物件価格の5%~10%と言われています。

そして、もしこの契約後(引き渡し前)に契約を解除したい場合、

  • 買主からの場合は、手付金の放棄
  • 売主からの場合は、手付金を戻して、同額を買主へ渡す

ということになっています。
手付金の額は数百万になりますので、そう簡単に、契約を辞退することはできません。

よって、物件についてはもちろん、リノベーション工事について不安がある場合は、この契約までにクリアにしておくと良いでしょう。

ここまでが物件契約のフェーズです。
早い場合は1ヶ月ほどでここまで終了しますが、希望条件が整理できなかったり、物件が見つからなかったりすると延び延びになってしまいます。

ここまでで、1.5ヶ月~2ヶ月経過

設計・施工‐①工事請負契約

物件契約が無事に終わったら、工事の契約も必要です。
工事契約を行うタイミングはリノベ会社によって異なりますが、本審査で工事請負契約書の提出を求められるケースもありますので、いつ契約をするかは確認するようにしましょう。

銀行融資‐②本審査

本審査では、金融機関が物件の担保評価を詳しく確認されます。
事前審査が通過しているので基本的には問題ありませんが、築古マンション等であれば、稀に否決になることもあります。

【必要書類】

  • 本人確認書類(運転免許証・健康保険証の裏表)
  • 源泉徴収票 2期分
  • 印鑑
  • 物件契約書
  • 工事請負契約書
  • 住民税決定通知書もしくは課税証明書
  • 住民票
  • 印鑑登録証明書

本審査は、銀行が窓口が営業している、午前9時~15時に手続きをするのが基本です。
その為、平日勤務の人は、半休をとるなどしてスケジュール調整をしましょう。
本審査の回答は提出から約2週間ほどになります。

銀行融資‐③金消契約(物件部分)

本審査が承認されたら、金消契約を行います。
正式名称は金銭消費貸借契約で、最終的に、いくら借入をするかを決めます。
借入をできる上限は、本審査で承認を得ている金額以下です。
よって、自己資金をいくらいれるかはここで決定しましょう。
金額が決まれば、引き渡しの時に「実行」される振込額を計算して「振込伝票」に金額を記入していきます。

例えば、下記のような項目で、振込伝票を記入していきます。

売主

  • 物件価格から手付金を引いた額
  • 固定資産税、管理費修繕積立金の日割り計算した金額

司法書士

  • 司法書士手数料
  • 登記費用

仲介業者

  • 仲介手数料

ここまで来ると、物件、融資額が確定しますので、いよいよリノベーションプランに入っていきます。

ここまでで、2ヶ月~2.5ヶ月経過。
売主都合で物件引き渡しが、かなり先になる場合は、もうすこし余裕があります。

設計・施工‐②プラン1回目

物件引き渡しを待っている間に、少しずつプランがスタートしていきます。
プランの1回目では、内装のイメージや希望間取り、それについてのヒヤリングをしていきます。
全体のベースを固めていく打ち合わせになります。

【プランの流れ】

1.ヒヤリング
2.間取りの方向性を決める
3.住宅設備機器を決める
4.仕様・仕上げを決める
5.見積提出
6.見積を踏まえて、仕様・仕上げの調整など

設計・施工‐②住宅設備見学

間取りや方向性が決まったら住宅設備のショールームへいきキッチンやユニットバスなどの見学をしましょう。
ショールームは事前予約が必要です。予約をして見学ができるのはおよそ1時間~1時間半です。
時間があるようにみえますがアッとなので、事前にメーカーWEBサイトから見れる電子カタログで目星を付けておくとよいでしょう。

特にキッチンのショールームは最低でも「3メーカー」は見るようにしましょう。
各社の強味、素材やオプション、価格等が異なります。内装のイメージに近いメーカーから優先的にみていくのが良いでしょう。

また、住宅設備はモノによって価格の幅が大きく変わります。
キッチンの価帯格は50万円~300万円くらいの幅がありますので、ついついグレードの高いオプションを選び過ぎないように注意です。

物件を探す‐⑥物件引き渡し

金消契約が終わり、通常1週間~2週間程で物件の引き渡しになります。
物件契約の際に、「引き渡し時期」の期日が決められますので、その期日から逆算して、金消契約はいつまでにする、本審査の申し込みはいつまでにする…というように決めていくと良いです。
物件引き渡しは、融資を受ける銀行内の個室で行います。

主な登場人物

  • 買主
  • 買主側仲介会社
  • 売主
  • 売主側仲介会社
  • 司法書士
  • 銀行担当者

登記の移転と、売買代金等、金銭の実行がされます。
所要時間は約1時間ほどです。月末の場合は3時間~4時間かかることも…
引き渡しが終われば、売主から物件の鍵を渡されます。
所有権移転後の登記簿謄本は、後日司法書士から郵送でお送りされます。

ここまでで、2.5ヶ月~3ヶ月経過

設計・施工‐②~④プラン

物件引き渡しが終われば、あとはプランと工事に入っていきます。
プランの②~④の流れは以下のようになります。

プラン2回目:仕様・仕上げを決める

プラン3回目:見積提出

プラン4回目:見積を踏まえて、仕様・仕上げの調整など

それぞれのプランのスケジュール間隔は、

1回目→2回目:1週間
2回目→3回目:2週間
3回目→4回目:1週間

よって、プラン全体のスケジュール感は、住宅設備のショールーム見学も入れると1.5ヶ月ほどになるでしょう。

ここまでで、3ヶ月~3.5ヶ月経過

設計施工‐⑦着工~⑨中間確認

着工から中間確認です。
着工後1週間程で解体確認を行います。
目的は、解体前に作成した工事図面上の懸念がないかの確認になります。
リノベーションプランは、図面・現地調査・マンション竣工図を元に作成していきます。

設計をするプロが現地調査を行いますが、稀にプランと適合しない構造になっているケースもあります。
よって、解体確認を経て、修正がある場合は、リノベ会社と施主の間で協議していくことになります。

中間確認は、間取りの骨組みもできて、なんとなく家らしくなってくる段階です。
ここまでくると、最終的な工事費用の微調整も終わりますので最終的なリノベーション工事費用を確定することができます。

銀行融資‐④金消契約(工事部分)

リノベーション工事費用が確定したら金消契約を行いましょう。
金消契約では最終的は工事費用を銀行に提示したいので、

最終工事契約書

を準備します。
工事契約書は、リノベーション会社によって、着工前契約や最終契約など段階ごとにまきなおすことがありますので確認しておくようにしましょう。

金消契約をしたあとはいつに「実行するか」も決める必要はあります。
基本的には、後から出てくる⑪引き渡しの前日までに、リノベーション会社への着金が必要なので、
引き渡しを先に決めて、そのあと金消契約時に「実行」の日を提示するようにしましょう。

設計施工‐⑩施主確認

施主確認は、内装がほぼ完了している状態で行います。
棚や造作の取付位置や、設備が正常に動くかどうかを確認します。
是正箇所がある場合は、引き渡しまでの間に行います。
施主確認から引き渡しまでは、通常では1週間ほどになります。

設計施工‐⑪引き渡し

引き渡しは、竣工確認で是正箇所があった場合、その確認などを行います。
問題なければ、「引き渡し書」に記名・捺印をして完了になります。

ここまでで、5.5ヶ月~6ヶ月
お疲れ様でした!!

工期が伸びるパターン

初回打ち合わせから引き渡しまでの流れをみていきました。
余裕をもっておくなら7ヶ月程あるとよいでしょう。

とはいえ、予期せぬことで工期が伸びてしまうことがあります。
実際にあったケースをご紹介します。

天候

積雪の影響で、資材運搬ができず、現場に納品ができなくて工事が遅れるケースです。
工事工程は、着工から完工まで細かく管理されています。

よって「このタイミングで、この資材を使う」という場合、それができないと全体の工程に影響が起こります。
職人さんは他の現場とも兼業してることがほとんどなので、資材が遅れた場合は、別の職人さんを探したり、職人さんの空くスケジュールまで待たないといけないといったことも。

設備の納品遅れ

コロナの影響で、2021年秋以降、トイレや給湯器が確保できないという状況が起こりました。
そのため、設備の代替を検討したり、工程を変更して設備取付を最後にするといったことも必要になりました。トイレと給湯器がないと引っ越しにも大きな影響を受けます。

まとめ:スケジュールには余裕を持って物件探しを始めよう

中古マンションでリノベーションをするときは、

  • 中古マンションが見つかるか
  • プランがうまくまとまるか
  • 工事が予定通り進むか

など、様々な進捗によってスケジュールができていることを頭にいれておきましょう。

不動産や銀行、工事関連のことが絡んでいますので、不明な点はリノベーション会社や自分で調べておいて、動き出す前までにインプットしておくと慌てなくてよいです。
住宅購入は、大きな買い物になりますので、安心して進められるようにスケジューリングを行いましょう!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次