中古マンション探し、内覧前に見るポイント徹底解説

皆さんは、中古マンションを探し始める時にどういった探し方をされていますか?
多くの方は、物件価格や、エリア、広さなどから検索してみて、次に、駅徒歩分数や築年数などを見ていかれるのではないかと思います。
確かにこれらの条件は、暮らしに直結しますので、とても重要です。
しかし、条件に当てはまる物件を見つけていざ内覧に行ってみると、
「思っていたのとは違ったな…」
ということは割と多いです。
そんな時、
「現地に行く前に。もっと効率よく選定が出来る方法はないですか?」
とご質問を頂きます。
物件の内覧はお休みの土日などに行く方が多いので、何回も内覧に行くのは結構大変です。
そこで今回は、中古マンション探し初心者の方に、是非おすすめしたい探し方があります。
重要な8つのポイントに分けて解説していきたいと思います。
これらは販売図面や、ネット情報でもすぐに確認できる内容ですので覚えておくと物件の絞り込みもスムーズにできます。
これまで物件探しの対応をさせて頂いたお客様の感想をベースに、5段階の「候補から外れる度」で評価していこうと思います。
1. 告知事項がある(候補から外れる度:★★★★☆)
告知事項と聞いてもあまりピンとこないかと思いますが、建物内やお部屋の中で何かしらの事故があった場合をいいます。
不動産屋業者は、物件を紹介する際に「告知義務」というものがありますので、販売図面等にその記載をしないといけないのです。
記載がない場合でも気になる方は、「大島てる」という事故物件サイトから調べることは可能ですので、どうしても気になる場合は確認してみましょう!
大島てるサイト:https://www.oshimaland.co.jp/
告示事項有物件にもメリットはあるの?
デメリットしかないように思えますが、避けたがる人が多いので、販売価格が相場より安くなることが多いです。
よくあるのは「この物件安いな~」と思っていたら、告知事項があったので残念ながら見送るパターンです。
過去のお客様にはリノベーション前提なので気にしないという方もおられました。
むしろ価格が安くなってラッキーと思われていました。
事件性がない告知事項だったというのもポイントだったと思います。
2. エレベーターが無い(候補から外れる度:★★★☆☆)
「相場が高いエリアなのに、この物件だけ金額が安いな」という物件は、エレベーター無しの物件である可能性があります。
2階や3階であればまだ良いのですが、4階や5階だった…なんてこともあります。
4階や5階になると、避ける買い手が増えますので、金額を下げて販売されることが多いようです。
エレベーター無し物件にもメリットはあるの?
エレベーター無しでのメリットがあるとすれば、それは「修繕積立金」が平均相場より低くなる可能性があることです。
エレベーターが古くなった際の交換工事が不要なため、築年数が古くなっても、修繕積立金をあまり上げなくても管理ができます。
(エレベーターの交換には数千万円単位で費用が必要です)
スキップフロアのある物件も修繕積立金の相場がやや低め!
エレベーターが停止する階が限定されているマンションがあるのはご存じでしょうか?
例えば「1階・4階・7階」にしか停まらないマンションです。
3階に住んでいる方は、4階で降りて、階段で1階分降りるイメージです。
このような構造を「スキップフロア」と言います。
大型のマンションで北と南の両面バルコニーの部屋があるマンション構造に、スキップフロアが使われていることがありますので、事前に確認しましょう。
物件紹介のページに「このお部屋は、エレベーターは停止しない階です」
など親切に記載してくれている場合もあります。
3. 管理会社に委託していない、自主管理形態(候補から外れる度:★★★★☆)
管理会社のイメージを分かりやすくいうと、マンションの維持管理をしてくれる親のようなものです。
その管理会社が入っているマンションの管理形態を「委託」といいます。
委託にも、「全部委託」と「一部委託」がありますが、多くは全部委託です。
何をやってくれているかというと、マンションのメンテナンスを計画したり、管理人を派遣して清掃を行ったり、皆さんが安心して住めるようにサポートしてくれるのです。
自主管理って?
一方、管理会社がいないマンションを「自主管理」を言います。
自主管理は、区分所有者のみでマンションの維持管理を行います。
メリット
管理費や修繕積立金が比較的安いことです。
管理会社への管理費が発生しない為です。
デメリット
区分所有者は管理のプロではないため、マンションのメンテナンスや、財政状況の点で懸念があります。
自主管理も管理体制がしっかりしている物件もありますので、全てが懸念ありというわけではありませんが、管理面での安心を優先するなら、管理会社が入っている「全部委託」を選ぶとよいと思います。
4. 管理費・修繕積立金の金額が適切でない(候補から外れる度:★★★★☆)
管理費・修繕積立金にも適正な金額があります。
目安としては、管理費・修繕積立金の合計金額が、㎡(広さ)×500円以上であれば、平均値よりも少し高いイメージです。
管理費・修繕積立金が高くなってしまう原因は?
では、平均値より高くなるのはどういった理由からでしょうか?
「総戸数(世帯数)が少ない」「マンション内に高額な設備が多い」など理由は様々です。
逆に、総戸数が多いマンションは、修繕積立金の貯金がしやすい構造にあります。
そのため管理費・修繕積立金の平均額が低い場合が多く、将来も値上げがされにくいです。
月々の支払は、「ローン+管理費・修繕積立金」になりますので、マンション価格が安くても、管理費・修繕積立金が高額では、月々の負担が増えてしまいますので注意が必要です。
お金のことは、住宅購入時に最優先事項にされる方が多いので、現状も高くて、将来的にも値上げされてしまいそうということであれば、除外するのが無難です。
5. 借地(候補から外れる度:★★★★★)
借地の物件は販売価格が安いので、理由を知らないと「掘り出し物だ!」と、勘違いする方が多いようです。
注意が必要なのは、「ローンが組めない(組めても短い期間しか組めない)」
「借地料の別途負担金を支払う」という内容等、様々です。
マンションには土地の権利というものが存在します。
安心なのは所有権といって「建物」と「土地」が一体の権利になっているものです。
仮に建て替えになっても「土地の持ち分」という割合が存在するので、建て替えをしたとしても、その後もマンションに住む権利が確保できるのです。
借地の場合はその権利が無いことになりますので、気を付けないと、資産価値の低い物件を購入してしまうかもしれません。
ここまでの内容は、資産的な観点や、条件的に及ぼす影響が大きいものをご紹介しました。
次は、重要なのに見落としがちな確認事項について見ていきましょう!
6. バルコニーの向きがよくない(候補から外れる度:★★☆☆☆)
向きによって、明るさが大きく変わるので重要な条件です。
一般的に人気があるのは、南向きです。
一日を通して採光がしっかり確保できます。
担当させて頂いたお客様の、ほぼ100%の方が採光面を気にされます。
販売図面やWEBサイトの間取り図に、バルコニー方位が記載されていますので、事前に確認するようにしましょう!
向きが南でも、目の前に建物があったり、これから建設されそうな土地であればさけるのが無難です。
稀に、築年数の古い中古マンションの中には、バルコニーがなく「サンルーム」という表記がされていることもあります。
サンルームは外に出られず、戸建てで言うところの縁側をイメージして頂くとよいでしょう。
洗濯物が外に干せませんので、外で干したい方は注意しましょう。
7. 眺望が悪い(候補から外れる度:★★★★☆)
最近はコロナ渦で、お家で過ごす時間が増えましたよね。
仕事に関しても、テレワークを推奨する会社が増えており、自宅での過ごし方により快適さを求める方が増えてきました。
その為、バルコニーや窓からの眺めを重要視されるようになっています。
眺望を確保したいなら、階数を気にした方がよいかもしれません。
階数が1階や2階ならバルコニーの先に戸建て住居が被ることがあります。
3階は、電柱や電線が目の前にくる可能性があります。
全てに言えるわけではありませんが、確率としては高くなります。
眺望が、何の建物もなく抜けてることはほとんどないかもしれませんが、せめて遠くの景色が多少見える「抜け感」くらいはないと、自宅にいて窮屈に感じるでしょう。
8. 周辺環境
周辺環境は問題ないか?
室内は、リフォームやリノベーションで好みのデザインや間取りに作り変えることが出来ますが、周辺環境は変えられません。
周辺環境もライフスタイルの一つなので、とても重要な条件かと思います。
駅から自宅までに、買い物できる場所はあるか、子供を遊ばせられる公園はあるか、夜道は暗くないか、保育園や小学校があるか等、人によってほしい環境は様々です。
Googlemapで大体の状況は確認可能!
確認方法はGooglemapが一番わかりやすいですね。
ただ、この見方だと真上から見た情報しか得られませんので、不動産業者の場合は、Googlemapの3D機能を使います。
平面では分かりにくい、物件の周辺の高さ情報は得られます。
これがあると、眺望の先になにか大きな建物があって圧迫感がないかが分かります。
周辺環境をチェックする手順
- Googlemap画面でマンション名を入力します
- 画面左下の「航空写真」のアイコン上でクリックして画面を切り替えます
- 画面右下の「3D」のアイコン上でクリックして画面を切り替えます※スマートフォンからは出来ない為注意。
- 拡大して、マンションの周辺を確認しましょう。
確認する箇所は以下が多いです。
- バルコニー側が「大通り沿い」か
- バルコニー側が「線路沿いか」か
- 周辺に「高い建物」がないか
音や採光、眺望面に関わる内容ですね。
浸水や津波、治安に関わる情報は何で確認する?
「ハザードマップ」「事件事故発生マップ」で確認ができます。
ハザードマップは、洪水エリアはもちろん、土砂災害や津波の危険があるエリアかどうかも確認ができます。
2019年10月に発生した「台風19号」以降、気にされる方が増えたように感じます。
参考
事件事故発生は、警視庁のサイト内にページが存在します。
このマップは2週間毎に情報更新されます。
犯罪の発生件数が多い順に「緑→黄→赤の順」で色付けがされます。
特に女性の方や小さいお子様がいる方は心配ですよね。
この2つを利用して、安心安全な中古マンションを選べるようにしましょう。
まとめ
注意すべきポイントは販売図面やWEBサイト上で確認できる点がほとんどですが、意外と見落としてしまいがちなので注意しましょう
探し方の手順としては、下記の順番に見ていけば
内覧をするまでに精度の高い絞りこみができるはずです。
また絞り込んでいる為、内覧後に購入するかどうかの決断もしやすくなります。
手順① 検索条件を入れる(物件価格・エリア・駅徒歩・広さ・築年数)
手順② 検索で該当した物件を【下記の】今回ご紹介した項目に沿ってみていく
- 告示事情の有無
- エレベーター
- 管理形態
- 管理費、修繕積立金
- 借地かどうか
- バルコニー向き
- 眺望
- 周辺環境
中古マンションの内覧は3件以上になるとほぼ丸1日は必要です。
どれもWEBサイトで確認できることなので、事前にしっかり調べて、効率よく物件探しをしていきましょう!