中古マンションの安全性は大丈夫?!首都直下型地震に耐える物件の選び方は?

中古マンションと聞くと、何となく「耐震性って大丈夫なのかしら?」と不安になる方も多いかと思います。

そこで、中古マンションの安全性について不動産屋さんに聞いてみました。
中古マンションの安全性は?
「新築マンションの方が安全性高いような気がするのだけど、実際にどうなのでしょうか?」



では、その「選び方」はどうすれば良いのでしょうか?
中古マンションを選ぶ際に、見るべきポイント
中古マンションは築年数が浅く新しい方が安心できるという人は多いです。
確かに、建設技術の進歩により、耐震性能も高くなっていることでしょう。
しかし、「築年数」以外にも見るべきポイントがあります。
管理状態を確認しよう



まず中古マンションは管理状態をしっかり確認することが重要です。
管理状態を何で確認するかというと、2つの書類があります。それは、「重要事項調査報告書」と「長期修繕計画書」という書類です。
重要事項調査報告書
重要事項調査報告書は、現在の修繕積立金の貯蓄金額や過去の修繕履歴の記載がされています。
いわゆるマンションの健康診断書のようなものです。
長期修繕計画書
長期修繕計画書は、今後、いつ・いくらで・何の工事を行うか計画を立てた書類です。
長期修繕計画書は、マンションの性能を維持し老朽化を防止する為に、管理組合や管理会社が作成する計画書です。
各世帯から徴収した修繕積立金の推移も記載されているので、いつ頃、修繕積立金の値上げが発生するかを予測することも可能です。






管理状態が良いマンションは何が良いのか?
まず、中古マンションの構造は、鉄骨や鉄筋に、コンクリートが被さってできる、鉄筋(鉄骨)コンクリート造です。
鉄骨が錆びない(老朽化しない)為にコンクリートが被さっていると思うと分かりやすいですね。
例えば、地震が起こり、マンションの外壁に亀裂が入ったとします。
多少の亀裂であれば基本的に構造体に影響はないのですが、そのまま放置しておくと、雨風にさらされ、水分が構造へ浸食していきます。
すると、構造の中心部まで到達してしまい、鉄部が錆びてしまいます。
つまり、管理状態の良いマンションは、マンションの老朽化を防ぐために、計画通りに積立金の貯蓄を使い、マンションのメンテナンスを行うことができる為、安心だということです。
管理状態が悪いマンションは?
では、一方、管理状態の悪いマンションとはどのようなマンションのことを言うのでしょうか。
- 積立金の貯蓄額がない・少ない
- 管理費・積立金の滞納者が多く、貯蓄が出来ていない
- 積立金がない為、メンテナンスが出来ず、外壁にヒビが入り防水機能が低下している
- 長期修繕計画書もなく、これから工事をするのか、積立金の値上げがあるかどうかも分からない
といったものです。
管理状態の悪い中古マンションは、必要なタイミングでマンションのメンテナンスが出来ません。
メンテナンスが出来ないと、外壁は傷み内部の鉄筋の老朽化が進みます。
そうなると、大きな地震が起きた際に、被害が大きくなる可能性が高いのです。



地盤を確認しよう
もう一つ大事なポイントがあります。それは「地盤」です。
マンションを建てる際には地盤の支持層というところまで、地盤改良を施します。そうすることで、大きな地震が来ても大きな影響が出ないように設計されています。
しかし、それでも軟らかい地盤の上では建物はより揺れやすくなります。逆に、固い地盤の上に建っていれば、地震の影響は相対的に少なくなるのです。
国土交通省が出している「わがまちハザードマップ」というものがあります。このマップから購入検討するエリアを選んでみて調べてみることも可能です。



より安全性の高い中古マンションを選ぶには?



新耐震のマンションと、旧耐震の中古マンションでは、耐震基準となる数値があり、その値が異なります。
新耐震のマンションは、その値を満たすように計算されて建設されていますが、旧耐震のマンションは満たしていないことがほとんどです。


しかし、値を満たしていないから、大きな地震に耐えられないかというと、そうではありません。
実際に、値を満たしていない旧耐震のマンションでも阪神淡路大震災や、東日本大震災を無傷で耐えたマンションも多く存在します。それは、中古マンションの耐震性は構造の耐震基準や「管理状態」「地盤」など様々な要因が関係しているからです。
中古マンションの耐震性は、管理状態や地盤が密接に関係しているのですが、新耐震のマンションと旧耐震のマンションを比較すると、やはり新耐震のマンションの方が総合的に安心できるというのは事実でしょう。
その他に安全性の高い中古マンションを選ぶコツはある?



ズバリ、低層の壁式構造のマンションが安心です。
低層とは、3~4階建のマンションです。エレベーターがない場合もありますので確認が必要です。
壁式構造とは、お部屋の中にコンクリートの壁(耐力壁)があるものです。
リノベーションなどを行う際に、間取り変更の制限がありますが、耐震においては強いと言われています。
例えば以下のマンションの形状は少し心配です。
◆ピロティ構造のマンション
一階部分が駐車場になっている形状のマンションです。
阪神淡路大震災の時、多くのピロティ構造のマンションが倒壊した事例が報告されています。
◆タワー型のマンション
いわゆるタワーマンションではなく、 1フロアが2~3部屋しかない縦長のマンションです。
地震の影響を受けやすい為揺れやすく、倒壊が心配です。



まとめ
大きな地震が心配な場合、リスクを下げられるマンションを選ぶためには、
- 新耐震
- 管理状態が良い
- 地盤がしっかりしている
- 低層
- 壁式構造の物件
を選ぶのが安心できるのではないでしょうか。
また、もしも地震時の津波などが怖い場合には海の近くや埋め立て地などを避けるという方もいるようです。ただし、色んな条件を挙げていくと予算内に収まらない場合もあるかと思いますので、優先順位を整理しつつ、安全性の高い中古マンションを選ぶと良いでしょう。
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